祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響あり。
沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらはす。
平家物語じゃありませんが、かつてデフレの救世主と崇め奉られた「牛丼」。
しかしそんな牛丼も現在、大苦戦しているのです。
27日金曜日、日経新聞35面より
「不況に強い」はずの牛丼店から消費者の足が遠のいている。
「吉野屋」などの売上は落ち込み、値下げに踏み切るチェーンも。
支持を集めた前回のデフレ宣言(2001年)ほど低価格で提供できない事や、数百円での胃袋の奪い合いが激しくなったことが今回の苦戦の背景。
消費者は家族と同僚と利用しやすいラーメン・ギョーザ店などへ流れ、デフレ下の外食風景が変わってきた。
▼売上前年割れ続く
吉野屋は8ヶ月、すき家は9ヶ月、松屋は6ヶ月連続で既存店売上が前年割れ。
吉野屋は7~8年前の不況時には、過去最高の利益を出していたのです。
▼牛丼店不況の理由
1、かつての価格水準が消費者の記憶に残っている
01年前後、各社は並盛り400円前後から200円台後半まで価格を下げた。これは04年のBSE問題で販売を休止した04年春まで続いていたのです。
やはり私も牛丼を食べると「昔はもっと安かったのに・・・」と感じてしまいますね。
ディスカウントはブランドイメージも壊してしまうのですね。
2、牛肉の原価が高止まり
BSE問題以降、輸入条件に製薬が残る米国産牛肉の流通量が限られ、原価が高止まり。
200円台は到底困難で、並盛り価格は各社330~380円。
確かにBSEは大きな原因に違いないです。
牛丼=アメリカ産牛肉というイメージ。
この一件で、牛丼の勢いが止まってしまいましたからね。
3、ワンコイン市場の競争激化
ワンコイン市場の競争激化も牛丼苦戦の要因のようです。
先日、近所のスーパーで買ったお弁当、おかずもバラエティーに富んでおり、価格は298円でボリューム満点でしたよ。
デパチカでも、300円~500円台で売っている時代。
確かに低価格で充実できるお弁当が増えましたね。
4、セットで満足感
最も強力なライバルは元気なラーメン・ギョーザ店。
餃子の王将は10月まで27ヶ月連続で、幸楽苑も同4ヶ月連続で既存店売上がプラスという状態。
しかし、これらのお店の平均単価は、600~800円で牛丼店は価格では負けるわけでではないのです。
とにかくマスコミでも取材されていますが、王将はすごいです。
そして、この記事の最後は、このように締めてします。
ラーメン・ギョーザ店の強みは主力商品とチャーハンやギョーザを組み合わせたセット。
顧客は「価格の割りにボリューム感があって、満腹になりやすい」と居酒屋代わりにも使われているようです。
「たまの外食」の満足感を最大化することに価値を見出す。
カウンターの牛丼店よりも、テーブル席が多く、家族客も取り込んでいる。
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状況に甘んじて、少しでも過信した時点で一気に転げ落ちるパターンが多いようですが、牛丼店の場合はBSEという予想も出来ない展開が待っていたのです。
今の救世主はユニクロ、マックでしょうか。
しかしこの2社も天国と地獄を経験してきました。
常に変化する情勢に、フットワークよく変化し続ける事、そして最後まで諦めないということですね。
(今回の投稿は、自ブログからの引用です)
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